◇半導体輸出前年比２４％減少

輸出戦線が危うくなるほど非メモリー半導体に対する関心が高まっている。関税庁は２２日、「今月１～２０日の輸出が２９７億ドルで前年同期の３２６億ドルより８．７％減少した」と明らかにした。これで韓国の輸出は５カ月連続マイナスを目前にすることになった。特に半導体輸出は２４％も激減しマイナス輸出行進の決定打になった。昨年は全輸出６０５２億ドルの２０％を占め輸出の柱だった時とは異なる状況だ。依然として輸出最大品目ではあるが半導体輸出が減少するほど全体輸出に及ぼす悪影響もそれだけ大きいためだ。

輸出状況が尋常でないことから韓国政府は非メモリー半導体の育成政策を急いでいる。青瓦台（チョンワデ、大統領府）はこの日「非メモリー半導体をはじめバイオと未来型自動車の３大産業を集中育成する方針。中小ベンチャー企業部と産業通商資源部で近く育成案を出すだろう」と話した。サムスン電子関係者もやはり「今月末ごろに非メモリー半導体投資案を発表する計画」と説明した。実際に文在寅（ムン・ジェイン）大統領は今月末ごろにサムスン電子の工場を訪問する予定で、これに合わせサムスン電子は投資案を出す日程を調整中だ。

◇今月末に非メモリー投資計画発表

文在寅大統領は非常灯が点灯した輸出戦線を支えるため、サムスン電子の李在鎔（イ・ジェヨン）副会長は停滞状態であるメモリー半導体を超え未来成長動力として、それぞれ非メモリー半導体に集中している格好だ。

なぜ非メモリー半導体の育成が現政権とサムスン電子で同時に核心課題として登場したのか。世界の半導体市場は概ねメモリー市場が３０％、非メモリー市場が７０％に分けられる。この中でサムスン電子とＳＫハイニックスが強みを持っている分野は３０％とされるメモリー半導体分野だ。

これに対しもっと大きい非メモリー市場は米国、中国、台湾、日本などが主導する。非メモリー半導体市場はシステム半導体と呼ばれる。ＰＣの中央演算装置（ＣＰＵ）やスマートフォンのアプリケーションプロセッサー（ＡＰ）などの半導体を設計するファブレス企業と、これら企業が設計した半導体を委託生産するファンドリー企業に分かれる。

非メモリー半導体のうちサムスン電子がすぐに競争力を確保できる分野にはファンドリーが挙げられる。この市場では５０％を超えるシェアを持つ台湾のＴＳＭＣが強者だ。だが市場調査会社のトレンドフォースによるとサムスン電子は昨年上半期に７．４％だったシェアを今年１－３月期には１９．１％まで引き上げＴＳＭＣを猛追撃した。

◇サムスン、今月５ナノプロセスの開発成功

実際にサムスン電子は今月ＴＳＭＣに続き世界で２番目に５ナノメートルプロセス開発に成功した。また、今月中に半導体業界で初めて極紫外線（ＥＵＶ）基盤の７ナノチップを量産する。ソウル大学半導体共同研究所のイ・ジョンホ所長は「ファンドリー業界でナノプロセスは半導体回路をさらに薄く設計でき、チップのサイズを減らして性能は高められるため極めて重要だ。サムスン電子が７ナノを超え５ナノチップの量産に成功する場合、市場で十分に競争できるだろう」と話した。

◇「主要取引先確保する努力が必須」

韓国半導体協会のアン・ギヒョン常務は「韓国の半導体業界もいまは自動運転車や第５世代通信などで使われることがさらに多くなる半導体設計の側に視線を転じる時になった」と話した。アン常務は「非メモリー半導体のうち最も多く付加価値が創出される半導体設計を育てるためには創意的なアイデアを持つ人材を確保し、主要取引先を確保する努力が必須」と話した。