李明博（イ・ミョンバク）大統領とビル・ゲイツ米マイクロソフト（ＭＳ）会長が６日、青瓦台（チョンワデ、大統領府）で会った。 最高経営者（ＣＥＯ）出身の大統領と世界的ソフトウエア企業の会長の出会いだ。 面談と夕食会で２人は１時間半ほど対話した。

２人が意気投合した部分は財産の社会献納など慈善問題だった。 李大統領は昨年の大統領選期間中、財産の社会献納を約束した一方、ゲイツ会長は夫婦で運営する‘ビル＆マリンダ・ゲイツ財団’を通して慈善事業を行っている。

７月にＭＳ会長職から退く予定のゲイツ会長は「会社を出れば慈善の喜びを味わいたい」という言葉で対話を始めた。 ゲイツ会長は「全世界６０億人の人口のうち上位２０億人はコンピューターを購入でき、中間の２０億人は携帯電話を購入できるが、問題は下位２０億人の貧困層」とし「富裕層や企業を訪ね、‘貧しい人々のために金を使って変化をもたらすことがどれほど楽しいことか’を話そうと思う」と述べた。 ゲイツ会長は「技術が貧しい人々の生活の質をどれほど向上させるかを示すことに自分の生涯を捧げる」と語った。

夕食会でゲイツ会長は「李大統領もたくさんの寄付をするなど、慈善活動に関心があると聞いた。退任後には一緒に慈善事業をしましょう」と提案し、李大統領は「よいアイデアだ。 特にアフリカに対する寄与が重要だと思う」と快く応じたと、出席者が伝えた。 これに関連し、ゲイツ会長は「当分は難しいだろうが、北朝鮮にもインターネットがつながればよい」と語った。

情報技術（ＩＴ）の発展と‘ＩＴ二極化’問題についても話し合った。 李大統領が「インターネット文化と関連する人々は生活の質が高まるが、これと接点のない人々は生活の質が落ち、情報格差がさらに広がる」と指摘すると、ゲイツ会長は「韓国が技術開発を通じてインターネット光通信網の料金を引き下げ、より多くの人にアクセスの機会を提供したことをよく知っている」と答えた。

この日の対話で李大統領は「建国６０周年を迎え、真の先進一流国家に飛躍するため、世界的な人たちの知恵と考えを必要としている」と述べた後、ゲイツ会長に‘大統領国際諮問委員’を提案した。 これに対しゲイツ会長は「企業家精神を重視し、経済活力を積極的に向上させようとする韓国新政府の努力に深い印象を受けた」と言いながら提案を受諾したと、青瓦台（チョンワデ、大統領府）側が伝えた。

ゲイツ会長はＸｂｏｘ（ＭＳの家庭用ビデオゲーム機）を李大統領に贈り、李大統領は白磁の皿と‘国際諮問委員’委嘱牌をゲイツ会長に伝えた。

ゲイツ会長はこの日、「車両ＩＴ、ゲーム、教育などの分野で今後５年間に計１億４７００万ドルを韓国に投資する」と明らかにした。 ゲイツ会長はまた「ＭＳは今後５年間、７兆ウォン（約７０００億円）の経済誘発効果をもたらせるよう韓国政府および企業とパートナーシップを強化していく」と約束した。

実際、ゲイツ会長は李大統領との面会に先立ち、韓国ＭＳは現代・起亜（ヒョンデ・キア）車および情報通信振興研究院と車両ＩＴ革新センター建設のための了解覚書（ＭＯＵ）を、韓国ゲーム振興院とはグローバルゲームハブセンター建設のためのＭＯＵを締結した。