日本人は元々地域特産品を好む。最高級米の品種コシヒカリが代表的だ。改良を繰り返して作り出したこの品種は、ご飯を炊けばコシも強く、ツヤもあって一般品種より2倍近く高い。この品種の栽培に相応しい新潟地方は、この米で作った日本酒の名産地に挙げられる。人形といえば九州地方の博多人形を掲げる、などだ。単純なかけうどん、そばの店が代を継いで栄えるのも、どの地方で誰が作ったのかを重視する日本人特有の文化のため可能なのだ。こうした日本人の情緒は販売の舞台をグローバル市場にしている工産品でも例外ではない。機能や価格にかかわらず電子製品も日本の地で日本人の手で作られたという事実が重要だ。