ロシアの偵察機1機が先日、東海(トンヘ、日本名・日本海)上空の韓国防空識別区域(KADIZ)を侵犯し、韓米合同軍事訓練に参加中の米空母「ニミッツ」を偵察した後、両国空軍の緊急対応で引き返した。偵察機は「ニミッツ」周辺を20分間ほど飛行したという。
防空識別区域は、韓半島周辺での武力衝突を防ぐために米太平洋空軍司令部が1951年に設定した空域だ。領空ではないが、厳格に韓国国防部の統制を受ける区域である。外国の航空機が進入する場合、24時間前に許可を受けなければならない。これを無視して防空識別区域を無断侵入し、「ニミッツ」偵察を試みた点は看過できることではない。単純な偵察レベルを越えて、韓米両国の対応態勢を探りながら、東アジアでロシア軍事力の存在を示威するという意図が大きいとみられる。