ずさんな管理で600年の歴史を持つ国宝1号を一瞬にして失っても、まだ目が覚めていないようだ。 崇礼門(スンレムン、南大門)の残骸を一般のゴミのように廃棄処分したという報道には、呆れるだけでなく驚愕する。 文化財庁の職員は火災現場の資材を廃棄物処理場に出し、消防当局は掘削機で現場をむやみに掘り起こしたという。 放火で崇礼門が崩れ落ちてから3日後のことだ。 取り返しのつかない罪を懺悔する国民の哀悼が続く中、火災現場の囲む幕の中では、もう一度国民の胸に釘を打ち込むような歴史棄損が進行していたのだ。
当局はどのような苦境に立てば目が覚めるのだろうか。 消防職員は‘知らなかった’という理由でそうしたとしよう。 歴史保存の責任を負う文化財庁の関係者は、燃えた文化財の残骸を整理する際、炭の塊一つでも慎重に扱うべきだという考古学の常識を無視した。