94年の秋、フランスの海底考古学・発掘チームが、古代世界の不思議の一つを現実にほじくり出したと発表した。場所はエジプト北部の港湾都市アレクサンドリア沖。深さ7メートルの海底で発掘したのは、伝説の中の「アレクサンドリアのファロス(アレクサンドリアの大灯台、またはファロスの灯台とも)」の残がいだった。
灯台は、紀元前250年ごろエジプトの統治者プトレマイオス2世の指示により、港付近の小さな島ファロスに建造されたもの。建材には大理石が用いられていて、高さ135メートルにのぼる灯台の最上部の塔には、巨大な女神像がそびえ立っていた。