裏口の臭いは何か違う。 表口が正大さの象徴なら、裏口のコードは隠密・狡猾・卑怯だ。

後漢の時代のことだ。 １０歳で即位した和帝は外戚に振り回された。 先祖・章帝の皇后・竇太后の一家だ。 和帝は宦官・鄭衆を前面に押し出しながら竇氏一族を除去する。 成功の喜びもつかの間、今度は鄭衆が国の仕事を意のままにする。 こうして始まった宦官政治は後漢を滅亡の道に導く。 明の時代の『趙雪航評史』は、この時代のことを指して「表門の虎を防げば、もう裏門には狼がまわっている（前門据虎後門進狼）」と書いている。 ここからきた前虎後狼は「表面では公明正大であるふりをするが、裏ではあらゆる悪いことをする人」を指すことになった。

裏口（ｂａｃｋｄｏｏｒ）がコンピューター用語として使われると、プログラマーが主人（使用者）にこっそりと作った通路を意味する。 主人がいくら暗号でシステムの表口をふさいでも効果はない。 裏口を通れば一瀉千里で通過だ。

裏口は必要悪でもある。 映画の中の「マトリックス」は完璧な統制プログラムだが、その中にも裏口はある。 鍵一つであらゆる秘密の扉を開くキーメーカー、彼がまさに裏口の象徴だ。 「いくら完璧なプログラムでもバグが生じる。従ってバグを排出する通路が必要だ」。マトリックスの設計者アーキテクトの言葉だ。

‘裏口’が株式市場に入れば裏口上場（ｂａｃｋ　ｄｏｏｒ　ｌｉｓｔｉｎｇ）になる。 うまくいけば株価が大きく上がり、大金を稼ぐことができる。 自分の実力だけでは上場が難しい会社が好んで使う。 国内では１９９６年、大宇（デウ）自動車販売が最初だ。 当時資本金１８０億ウォンの上場企業ハンドクは、規模が数倍大きい大宇系列のウリ自動車販売を合併した。 １年後、韓独は大宇自販に名前を変えた。 合併後、株価は半月で９０００ウォンから１万６０００ウォンに急上昇した。

裏口上場が大量に出始めたのは２０００年から。 その年１２月、コスダック最初の裏口上場が出ると、翌年から急増し、昨年には１００件を超えた。 金融当局が便法・不法を防ぐと言いながら１０年間頭を悩ませてきたが、むしろ雑音だけが大きくなった。

賭博ゲーム‘パダイヤギ’で国が熱くなっている。 大統領のおいのノ・ジウォン氏までが登場した。 疑惑は続く。 ノ氏が通った会社をテコに問題のゲーム業者も裏口上場した。 この際、裏口愛好家だけが集まって出入証を別に作ればどうか。 「上の者は裏口出入り専門であることを証明する。当局」