過剰債務で身動きのとれない企業を再建するための最後のカードとして日本政府がつくった株式会社、産業再生機構(東京都、斉藤惇社長)が店開きした。問題企業の不良債権を金融機関から買い取り、処分して、その企業の経営資源を再び活性化し、立ち直らせる商売である。そのための軍資金として国庫から10兆円を任されている。産業再生機構は5年後に店を畳む。短期間の決選であるわけだ。
ここには、80人ほどの各分野の専門家らが集まっている。弁護士、会計士、経営コンサルタント、証券アナリスト、ファンド運営などの専門職。大半が30代から40代前半の人々だ。最高業務執行責任者(COO)の富山和彦専務は43歳だ。弁護士だが、スタンフォード大でMBA(経営学修士)を取得し、ボストンコンサルティンググループで勤めた後、自らコンサルタント会社を設立した起業家だ。