【コラム】ワイングラスが割れても食卓をひっくり返してはいけない=韓国
外交と聞けば、ワインとシャンデリアのある優雅な食卓で、紳士のルールが支配する平和な晩餐を思い浮かべるかもしれない。しかし私が経験した30年間の外交現場は常に平和だったわけではない。食卓のワイングラスが割れることもある。信頼関係が崩れ、相手の無礼に憤ることもある。国益のためにはプライドを捨てなければならない時もある。外交官に一つ原則があるとすれば、外交は熱い心ではなく冷静な理性で行うべきということだ。
歴史には怒りによって冷静な理性を投げ捨てた外交事例が少なくない。1870年、フランスはプロイセンに対しスペイン王位継承を断念するよう要求した。当時のプロイセンの首相ビスマルクは、国王とフランス大使との穏やかな会話の記録を悪意をもって編集した。大使が国王に無礼な要求を押しつけ、国王は大使と会うのを拒否し、彼を追い払わせたかのように仕立てたのだ。この会話記録をメディアにも流した。極めて重大な外交上の非礼であり、悪質なメディア操作だった。