【コラム】製造業大国、産業政策だけではいけない=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.10.23 15:02
国内の政争が少しも変わらないのとは対照的に、海外に出てみると韓国の地位が大きく変化していることを実感する。20年前とは隔世の感があり、わずか5年前とも異なる。いまや韓国は世界で確固たる先進国としての地位を確立し、文化、芸術、産業の面で先進国と肩を並べて競う国になっている。60年ほど前は世界最貧国であり、30年前も国際社会で十分に力を発揮できなかった国が、どのようにして今日の地位に浮上したのか。過去60年を振り返ると、韓国の地位をここまで押し上げた最大の要因は製造企業の成功だった。1960年代以降、輸出型製造業の育成に国のエネルギーと資源を集中させ、そのための制度や政策、報奨・インセンティブを整え、長期間にわたって一貫して推進してきたからだ。特定の政権や一部の傑出した企業家の貢献にとどまらず、国家のリーダーシップ、国民の高い教育熱が育てた優秀な人材、経済運営システムと政策、大企業・中小企業の経営者や労働者の挑戦と奮闘が一体となって生み出した、韓国近代史における革命的な成果だった。
未来の韓国の地位を押し上げる最大の原動力もやはり製造業だ。製造業大国のドイツが過去の成功方式に安住し、経済環境や構造の変化に応じた革新が遅れた結果、近年、中国製品の攻勢に市場を侵食されているのは、韓国にとっても重要な警告だ。製造業の成功は単なる産業政策の成功ではない。そこには経済・社会制度と政策、労働市場の構造、企業環境、地政学や外交・通商・安全保障戦略、国家運営の方式など、あらゆる要素が組み合わさっている。こうした観点から見ると、韓国の製造業は過去60年間に目覚ましい成果を上げたにもかかわらず、その将来について多くの懸念を抱かざるを得ない。