【時視各角】大統領の人事権の逆説=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.10.07 15:57
最近さまざまな理由で頻繁に名前が挙がる盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は大統領の人事権を何度か強調した。在任4年目だった2006年8月、「いま人事問題が取り沙汰されているが(長官などの)人事権は大統領に残された唯一の権力だ」と述べ、翌年初めには「私に発言を減らせというのは妥当な要求ではない。大統領が持っている手段のうち重要なのが人事権と発言だ」と語った。なぜ彼はそれほど人事権を話したのだろうか。
大統領の人事権には独特の力学が働く。ポストそのものが忠誠を引き出すインセンティブだ。13年前の統計では、大統領が任命するポストが8593件、直接人選・決裁するポストが1947件だった。間接的な影響力が及ぶポストは2万件にのぼる。今もそれに劣らないだろう。問題は、ポストを得た人は自分の抜てきを当然のことと考えやすい一方、はるかに多くの、ポストを得られなかった人は自分が選ばれなかったことを不当だと考えるようになる点だ。権力連合の中で対立を生む要因となる。もう一つの難題もある。支持率の管理という面では「異例の人事」が歓迎されるが、異例の人事によるリスクが大きくなるということだ。また、支持率が下がれば優秀な人材が来ようとせず、そのため支持率がさらに下がるという負のフィードバックもある。このため後半になるほど抜てきよりも昇進が増える。多くの歴代大統領がたどってきた道だ。