ナチス以来初の政権獲得に迫るドイツ極右政党…その背後に「最も危険な男」(2)
近年、欧州では各地で極右政党が勢力を拡大してきた。イタリアでは2022年から、ジョルジャ・メローニ首相率いる「イタリアの同胞(FdI)」が政権を担っている。フランスの国民連合(RN)は2024年の総選挙で議席を88から143へと大幅に増やした。英国ではナイジェル・ファラージ氏率いる改革党が今年5月の地方選挙で地方議会の議席を400以上増やし、躍進した。
しかし、ナチス政権とホロコーストの悲劇を経験したドイツでは、その衝撃の大きさが違う。ドイツは第二次世界大戦後、極右主義の復活を強く警戒してきた。特に2013年のAfD結党以降は、連邦政府や州政府の樹立にあたり、極右政党とは協力しないという、いわゆる「防火壁(Brandmauer・ブラントマウアー)」を徹底して維持するなど、極右の政権獲得を阻止することを重視してきた。そのため、戦後のドイツでは、極右政党が連邦政府はもちろん、州政府でも政権を担った前例はない。