「子どもができても婚姻届は出さない」…韓国で非婚出産が過去最多に(2)
婚姻届の提出を先延ばしにする現実的な理由もある。住宅の分譲申し込みや融資などで、結婚後にかえって不利になる、いわゆる「結婚ペナルティ」だ。住宅購入者向けの長期固定金利ローン「ポグムジャリローン」は現在、未婚者の場合は年収7000万ウォン(約813万円)以下、新婚夫婦の場合は夫婦の合算所得8500万ウォン以下が要件となっている。今年10月からは、「合算所得8500万ウォン以下」または「夫婦のどちらか一方の所得が7000万ウォン以下」へと要件が緩和されるが、それでも制度の対象から漏れるケースは残る。例えば、合算所得が同じ1億5000万ウォンでも、一方が9000万ウォン、もう一方が6000万ウォンを稼ぐ夫婦は所得要件を満たすが、それぞれが7500万ウォンを稼ぐ夫婦は対象外となる。しかし、変化する家族のあり方に比べ、制度の見直しは遅れているとの指摘もある。婚姻関係や血縁関係にない成人2人の生活共同体を法的に認め、一定の権利と義務を付与する「生活同伴者法」は、2023年に初めて法案が提出されたものの、国会議員の任期満了に伴って廃案となった。第22代国会でも昨年9月に再提出されたが、その後の議論は遅々として進んでいない。一方、フランスでは民事連帯契約(PACS)、オランダでは登録パートナーシップ制度が運用されており、スウェーデンでは未婚女性が生殖補助医療を受けることが認められている。
婚外出生には、同居するカップルによる出産、婚姻届の提出を先延ばしにしているカップルによる出産、未婚の母親による出産など、さまざまなケースが含まれている。韓国保健社会研究院のピョン・スジョン研究委員は、「結婚してから子どもを産むのが当然の順序だと考えられてきた従来の図式が崩れ、結婚と出産の結び付きそのものが弱まっていることの表れとみられる」としたうえで、「ただし、現在の統計では、婚外出生を類型別に区分することが難しい。今後は、同居の有無や家族形態まで把握できるよう、統計制度を改善する必要がある」と述べた。