イランは持ちこたえ、トランプ氏は焦る…今はもう「苦痛への耐久力」の戦い(2)
通常、交渉ではデッドラインが決まっている側が不利になりがちだ。11月の中間選挙で米国民の政治的審判を控えているトランプ氏のほうが焦っているということだ。一方、すでに長期化した制裁にある程度の耐性ができているイランは、燃料・電力の配給や外貨統制などを通じて生き残りを図る経済体制に転換し、長期戦に備えている。
ただし、制裁の恐ろしい点は、耐えられる水準であっても臨界点を超えた瞬間から苦痛の度合いが急速に高まることだ。オバマ政権当時の2015年、イランが核合意(JCPOA)に応じた背景にも、リヤルの価値暴落などで経済が急速に崩壊したことが大きな影響を及ぼした。中道・実用路線のハサン・ロウハニ大統領が当選したのも、結局はこれにより民心が対米強硬派指導部に背を向けた結果だった。