【コラム】再選挙を叫ぶ韓国市民たち、彼らが真に問うていること(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.06.10 13:26
#2021年9月26日、ドイツ・ベルリン。民主主義国家ドイツではめったに見られない光景が広がった。投票所の外には長い列ができ、一部の有権者は投票用紙がないため引き返さなければならなかった。連邦議会総選挙と州議会選挙が実施されたこの日、ベルリン・マラソンと重なったことによる都心部の交通規制のため、投票用紙が適切に配送されなかったのだ。一部の投票所では別地域の投票用紙が配布される事態まで起きた。怒った市民は数千件の異議申し立てを行い、最終的にドイツ連邦憲法裁判所は選挙の平等性と正当性が損なわれた重大な欠陥だと判断し、選挙無効および再選挙を命じた。ベルリン市はこの事件を単なるミスとして片付けなかった。独立した調査の結果を受け、選挙管理組織を全面改編し、選挙専従人員を大幅に拡充した。また、投票用紙の印刷・配布体制を再整備し、緊急対応マニュアルも新たに整えた。再選挙は終わりではなく、制度改善の出発点だった。
#2022年11月8日、米国ペンシルベニア州ルザーン郡も同様の混乱を経験した。中間選挙当日、数十カ所の投票所で投票用紙が不足し、投票が中断された。市民団体は緊急訴訟を起こし、裁判所は投票時間を2時間延長した。選挙直後、SNSには不正選挙陰謀論があふれ、政界も責任論争に加わった。しかし、検察と当局の調査の結果、組織的介入や陰謀の痕跡は発見されなかった。原因は人員交代過程での引き継ぎ不備と需要予測の失敗だった。ルザーン郡は調査結果を透明に公開し、投票権侵害訴訟を提起した市民団体側に訴訟費用を全額賠償する条件で和解を終えた。同時に投票用紙確保基準を強化し、職員教育と緊急対応手続きを義務化した。失敗を記録として残し、再発防止装置へとつなげたのだ。