<創刊企画「大韓民国トリガー60」㉘>「私たちは機械でない」 全泰壱の叫び…時代を揺るがす「火」になった
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.09.09 15:10
毎朝、私はソウル清渓川(チョンゲチョン)全泰壱(チョン・テイル)記念館の扉を開けて兄に会う。写真の中の笑顔、手垢がついた遺品、くねくねした文字が55年前のその日を証言する。彼は過去でなく今日を生きる人のように近づいてくる。展示室で目にするものは単なる追憶でなく今でも続く質問だ。
兄の時間は大邱市南山洞(テグシ・ナムサンドン)で始まった。1948年にその家で生まれた兄は暫し温かいを家族の中で暮らした。父の事業の失敗と生活苦は長男だった兄をあまりにも早く大人にした。青少年になる前に平和市場の「駒」となり、幼いの肩に時代の貧困がのしかかった。70年11月12日、兄が家を出た最後の朝を今でもはっきりと覚えている。夜間中学校の月謝150ウォンを払えず心配していた私は「お金はいつくれるのか」と催促した。兄は笑って「数日だけ待てばよい。すべて解決するから」と言った。