【中央時評】「ソフトパワー」を失っていくトランプの米国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.05.02 15:09
「ソフトパワー(soft power、軟性権力)」は米ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が主唱した概念で、相手に強要することなく自らが望むことを自発的に選択させる能力をいう。軍事力のような物理的力(hard power、硬性権力)を使用するのではなく、文化や普遍的価値観などを通して共感を引き出し、自然に同調させることだ。実際、米国が第2次世界大戦以降の80年間に世界を制覇できたのは、強大な軍事力と経済力のおかげでもあるが、人権尊重など普遍的価値観と民主主義規範がよく守られる社会、そして人気がある大衆文化により米国が魅力的に見えたからでもある。すなわち、ソフトパワーの力も大きかったのだ。このため米国はその間、有無償海外援助やフルブライト奨学金を通した海外留学生誘致などの努力もしてきた。
ところがトランプ米大統領の2期目が始まって以降、こうした努力はほとんど中断されるようだ。まず海外援助を担当した米国国際開発局(USAID)を閉鎖しようとしている。USAIDは過去に韓国にも多くの支援をした。代表的なのが韓国の科学立国を率いたKAIST(韓国科学技術院)設立のための借款提供だ。このほかにも上下水道施設、発電所、セメント工場など多様なインフラを支援した。ところが米国の政府効率化省(DOGE)を率いるイーロン・マスク氏は2月、「USAIDは浪費をしていて、左派の議題を支援する」として大半の職員を解雇し、ルビオ国務長官も「多くの場合、USAIDは国家戦略に反する」として大幅な機構縮小または解体を予告した。またフルブライト奨学金も停止した。今すぐ米国に直接的に役に立たない予算は無条件に減らすという意図であるようだ。