韓国保護者団体「全国保護者団体連合」はノーベル文学賞を受賞した韓江（ハン・ガン）氏の小説『菜食主義者』を巡り、２２日「青少年有害メディア物は全国小中高の図書館に配架されるべきではない」と主張した。

連合はこの日出した声明で「韓江氏の著書を読んだ人の中には『大人にも推薦したくない』と話す人も非常に多い」と明らかにした。また「韓江氏の著書を読んだことのない国民の大部分は実際の作品の内容は知らないのに、ノーベル文学賞受賞に対するニュースだけで非常に浮かれた気持ちだっただろう」と説明した。

連合が「問題図書」に入れた韓江氏の本は『菜食主義者』だ。連合は該当の作品の中で、姉の夫と妻の妹が不適切な関係を結ぶ内容などが登場することに言及して「このような極端かつ暴力的な内容の本をノーベル賞作家の作品という理由だけで全国の小中高の図書館に置こうとする試みに保護者は驚きを禁じ得ない」と伝えた。

青少年保護法による青少年有害メディア物審議基準には「青少年に性的な欲求を刺激する扇情的なものや淫らなもの」が含まれているが、これに伴い『菜食主義者』が青少年有害メディア物に該当するというのが連合の主張だ。

連合は「誰が見ても青少年有害メディア物である内容の本を、ノーベル賞作家の作品という理由だけで未成年の小中高など学生に推奨することが妥当なのか聞きたい」と反問した。また「『１９禁（青少年観覧不可）成人映画』がアカデミー賞を受賞しても青少年観覧可の映画とはならないように、図書にも年齢制限があるべきだ」と主張した。

１７日に就任したソウル市教育長に対しては「『菜食主義者』を最後まで読んだことがあるのか、そして未成年の孫・孫娘がいるなら果たして必読図書として推薦したいのか、公開的な返事を要求する」と明らかにした。

あわせて教育部と傘下の市・道教育庁、文化体育観光部・女性家族部に対して▽『菜食主義者』を小中高図書館に配架されないようにすること▽『菜食主義者』が公共図書館の児童・青少年の本棚に配架されないようにすぐに措置を取ること－－を要求した。

連合は『菜食主義者』が小中高図書館や公共図書館の児童・青少年の本棚に配架されないように署名運動も開始した。連合によると、開始から一日経過したこの日午後７時基準で、個人１万４７４人、団体１９５カ所が反対署名に参加した。連合関係者は「署名は引き続き実施中」と話した。

『菜食主義者』の学校図書館配架を巡る論争は、この日国会国政監査でも続いた。昨年京畿道（キョンギド）のある学校図書館で『菜食主義者』が性描写問題で廃棄された事例を置いて指摘が相次いだ。

京畿道教育監の任太熙（イム・テヒ）氏はこの日国会で開かれた教育委員会国政監査で「『菜食主義者』を読んでみたがとても深い思考の中で書かれた深い思考が込められた作品」としながらも「本に含まれた蒙古斑関連などの部分は、学生が読むには私も少し面食らうほど（の表現）で、そのように感じながら読んだ」と話した。国政監査場では「時代錯誤的図書検閲」〔鄭乙虎（チョン・ウルホ）共に民主党議員〕などのような批判が出てきた。