有機ELも中国に遅れをとった…崖っぷちの韓国ディスプレー(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.09.01 12:58
韓国企業の経営失敗を振り返らなくてはならないという自省論も一部では提起される。中国の物量攻勢に対抗するには生産単価引き下げが急務だ。業界内外では現在第6世代で量産されるIT機器用有機ELが第8.6世代へシフトしてこそ本格的なコスト節減効果につながるとみている。しかしサムスンディスプレーは2026年初めに第8.6世代IT機器用有機EL生産ライン稼動を目標にしており、LGディスプレーはまだここにまともな投資にも出ていない状況だ。2年間の業績悪化にともなう財務負担が加重されたためだ。LGディスプレーは2021年に営業利益2兆2306億ウォン(約2440億円)を最後に2022年には2兆850億ウォンの損失を出し、昨年は2兆5102億ウォンと営業損失が雪だるま式に膨らんだ。
匿名の証券会社研究員は「LGディスプレーはIT機器用有機ELよりはテレビ用有機EL市場開拓に重点を置いて事業を進めてきたが、世界市場では大型有機ELより中小型有機EL市場の拡大がより早く進んでいる。LGエレクトロニクスがスマートフォン事業での浮沈を体験した末に撤退しテレビなど家電事業に集中するなど諸般の事情が不如意だったとはいうが、結果的に(LGディスプレー)経営陣の判断ミスが悔やまれる」と診断した。LGディスプレーは2022年から液晶パネル(LCD)生産ラインの稼動を中断して有機EL中心の事業構造に再編し、今年現在まで人材再配置を通じたコスト効率化を企画中だ。