＜３＞欧州、極超音速対応武器を共同開発

中国とロシアに続いてイランと北朝鮮が極超音速兵器を開発している状況で、欧州でも極超音速兵器開発の努力が進んでいる。２０２３年７月、欧州連合（ＥＵ）は１２億ドル以上の政府基金を含む欧州防衛基金（ＥＤＦ）支援プロジェクトの一つに欧州極超音速兵器迎撃機計画（ＥＵ　ＨＹＤＥＦ）プログラムを選定した。

欧州連合は高速の脅威に対応できるよう最高の機動性と能力を備えた欧州迎撃体の概念を定義する３６カ月初期概念研究および技術成熟段階に約１億ユーロを支援する予定だ。スペインミサイルシステム（ＳＭＳ）コンソーシアムが主導する初期研究段階にはベルギー・チェコ・ドイツ・ノルウェー・ポーランド・スウェーデンの業界パートナーも参加する。

２０２３年６月、欧州ミサイル製作会社ＭＢＤＡは２０３０年代の大気圏内の極超音速迎撃のために５年間内部で研究したアクィラという迎撃体概念を公開した。２０２３年７月には欧州委員会（ＥＣ）の資金支援対象に選ばれ、ＥＤＦから３年間・８０００万ユーロの投資を受ける概念研究段階にある。

ＭＢＤＡ経営陣はアクィラ概念がフランス・イタリア・ドイツ・オランダの支持を受けていると明らかにした。

２０２４年５月１５日（現地時間）には欧州共同兵器協力庁（ＯＣＣＡＲ）がＭＢＤＡと極超音速防御迎撃研究（ＨＹＤＩＳ２）プロジェクトのため３年間の概念研究契約を締結した。この契約は極超音速および弾道の脅威に対する最も効果的な防御戦略と、これに対応する武器アーキテクチャーを識別することを目標にしている。ＨＹＤＩＳ２プロジェクトは２０３５年の運用を目標にしていて、１４カ国から１９の産業パートナーが参加している。

欧州連合から離脱したた英国は２０２０年代末までに自主的に極超音速巡航ミサイル開発するという計画を４月末に発表した。英国が独自開発の極超音速ミサイルを推進するのは、進化する世界的な脅威と他国の技術発展に直面し、軍事力を発展させて戦略的自律性を維持するという英国の意志を強調するためだ。

チェ・ヒョンホ／ミリドム代表／軍事コラムニスト

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