見直される大谷、彼もフィアンセもただの平凡な男女
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2024.03.24 11:44
30歳、祭りは終わった。私が好きな詩集の題名だ。なにかが終わるたびにふとこのタイトルを思い出す。イベントが終わればちょっと憂鬱になるものなのか。幼いころ名節の日の午後になると必ずそうなった。親戚を訪ねて新年のあいさつをし、楽しく遊んで家に帰ると静まり返っていて退屈した。そしてその真空のような静けさから憂鬱がにじみ出た。
大谷選手が去った後もそんな感じがした。大きなイベントのように大騒ぎだったが終わってみると少しむなしく何となくさびしい。なぜそうなのか。「漫画から飛び出てきたような男」から「品切れ男(既婚男性)」にレッテルを変えたためだろうか。だがフィアンセを連れてきたとしても大谷選手は依然として礼儀正しい男で格好良かった。確かに彼には暖かい微笑を浮かべさせる力がある。スポーツ選手が持っている健康さに立派な性格、ハンサムな容貌と途轍もないパフォーマンス、その上天文学的金額の年俸。こうした完璧に近い条件がまるで童話の中の王子様のイメージを演出したのだ。こうしたイメージにより到着当日の仁川(インチョン)空港はファンと取材陣で並みの騒ぎではなかった。