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【時視各角】韓国半導体、油断してすべて追いつかれた

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.03.07 11:26
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韓国半導体の成功秘訣は大きく3つにまとめられる。スピード、投資、国際情勢。

まずスピード。サムスン電子の最初の半導体工場である器興(キフン)第1工場は1983年9月に着工してから6カ月で完工した。早くても1年半はかかるという通説を完全に跳び超えた。ヒーターを付けてコンクリートを乾かす奇想天外な方法まで動員された(『李健熙半導体戦争』イ・ユンウ元サムスン電子副会長回顧)。技術採択はいつも「速く、もっと速く」だった。他の人たちが5インチ半導体ウエハーを使っている時に6インチを、8インチが商用化されている時に12インチを開発した。このためには大規模投資が必要だった。サムスンはDRAM価格が急落し天文学的赤字を出した時も積極的投資を決行した。

 
そうだとしても日米半導体協定がなかったとすれば後発走者である韓国が日本に追いつくのは容易ではなかっただろう。米国は安保・価値同盟である日本の半導体産業を力で押さえ込んだ。日本のメモリー半導体のシェアが80%に上昇し米国代表企業のインテルがDRAM市場から撤退したころだった。日本は結局生産原価を公開し低価格攻勢を中断した。急落したDRAM価格が上がり始め、韓国に機会が訪れた。日米半導体協定が1986年7月、マイクロンがNECなど日本企業をダンピングで提訴したのが85年6月、サムスン電子の器興第1工場完工が84年3月、器興第2工場竣工が85年3月だった。すべてが映画の脚本のように合致した。その後日本は半導体製造市場から押し出され、韓国と台湾がその穴を埋めた。

韓国の3大成功要素はこれ以上韓国の専有物ではない。最近世界1位のファウンドリー(半導体委託生産)会社である台湾TSMCが日本の熊本県に新しい半導体工場を竣工した。2年間「365日24時間工事」をしながら工期を2カ月以上繰り上げた。速度戦は韓国の武器だったが日本と台湾がまねている。各国の投資支援も総力戦だ。米国も、欧州も、日本も半導体投資に莫大な補助金を与える。日本はTSMCの熊本工場投資額の約3分の1に当たる1.2兆円を支援する。だが韓国は半導体投資に税金減免の優遇を与える。投資誘因効果で見れば現金補助金が税金控除より大きい。いま日本は半導体復活に「本気」だ。

国際情勢はどうだろうか。米国が日本の半導体を倒してから30年以上、設計は米国が、生産は韓国(メモリー)と台湾(ファウンドリー)がした。この国際分業の構図に亀裂が入っている。何より米国が最先端半導体の直接生産に速度を上げている。米国政府が後ろ盾となり米国会社同士で調達する「チームアメリカ」が稼動中だ。マイクロンが最近次世代メモリー半導体「HBM3E」の量産を発表した。サムスンとSKハイニックスより早い。その製品が人工知能(AI)半導体市場を掌握した米エヌビディアの製品に搭載される。ファウンドリー市場に参入したインテルはAIトップ企業のマイクロソフトの注文を受け最新半導体を生産することにした。インテルはあっという間にファウンドリーの強者に浮上している。

日米は半導体同盟復元を加速化している。昨年5月に半導体・先端技術分野協力に向けた共同声明を採択した。トヨタやソニーなど日本企業8社が設立した半導体企業ラピダスは2ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の半導体量産目標時期を2027年とした。成功すれば韓国と台湾に追いつく。ラピダスはこの技術開発に向け米IBMに100人以上の技術陣を派遣した。第2次大戦後に米国企業が日本に半導体特許を公開し技術を伝授したのを連想させる。「チップ4同盟」(米国・日本・台湾・韓国)と言っていたが韓国だけ孤立しそうな局面だ。

寝て起きたら先進国になっていたという。半導体なくしてその成就を語ることはできない。しかし半導体の奇跡を作り出した危機感と切実さは以前と同じではない。政治も、政府も、企業も、現状維持に汲々としている。慢心し、油断していればすべてに追いつかれるようになった。

イ・サンリョル/首席論説委員

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