◇瞑想効果、抗うつ剤処方と類似

最近になって瞑想はメンタルヘルスに役立つという研究が出てきている。２０２２年、米国医師会雑誌「ＪＡＭＡ」精神医学には、２０８人に８週間の瞑想トレーニング受けさせたところ、抗うつ治療薬「レクサプロ（ｌｅｘａｐｒｏ）」の「エスシタロプラム」を処方された人と同じ水準の不安減少効果を示したという研究結果が発表された。

これに先立ち、２０２１年には瞑想を通した心理改善効果が認知行動の治療または抗うつ剤服用と同じ水準という報告も出てきた。ハーバード医科大学准教授であるサラ・ラザー氏は「心配・不安が多い人は脳の『基本モードネットワーク』部分が過度に活性化している」としながら「瞑想はこの部分を消すことによって否定的な考えや不安・焦燥から解放してくれる」とＷＰに説明した。

◇専門家の助言のないＡＩ瞑想、副作用論争も

しかし一部では専門家の助言を受けずにＡＩの指示で瞑想を誘導するアプリを乱用して副作用が起きる場合もあると懸念している。カナダ・マギル大学心理研究所は、初心者が専門家をつけずに一人で瞑想するとパニック発作、外傷性回想、離人症、方向感覚喪失、精神病などに陥る可能性があるという内容の報告書を出したことがある。

ＦＴは人間の心理と精神に近づききれていない、まだ未成熟のＡＩ技術を瞑想に適用するのは時期尚早だと指摘した。実際に一部のＡＩ瞑想アプリはユーザーが話した妄想を事実と勘違いしたり、利用者の低い自尊感を当然視するような反応を示して問題になった。昨年ベルギーの３０代男性はＡＩ相談チャットボットから繰り返し自殺するよう勧められて利用から６週後に極端な選択をしたという事例もある。

専門家は瞑想アプリの効果に対するはっきりした研究結果がまだ出ていないと指摘する。マギル大学心理研究所は報告書で「瞑想アプリの効果は読書や散歩など類似のストレス解消活動とほとんど違いがなく、潜在的な被害については分かっていない」とし「瞑想アプリの効果を確認するためには数年にわたる追跡研究が必要だ」と強調した。

１億回以上ダウンロードされたＡＩ瞑想アプリ…「パニック発作」副作用問題も（１）