トヨタ自動車グループの豊田章男会長が３０日、顧客に頭を下げた。ダイハツ工業と豊田自動織機などグループ会社で明らかになった不正行為に対し謝罪した。親会社であるトヨタ自動車は昨年４年連続で世界自動車販売１位を記録したが、子会社では品質認証不正などのスキャンダルが相次いで起きグループが混乱している。

豊田会長は３０日、名古屋市のトヨタ産業技術記念館で記者会見し、「（グループの成長下）大切にすべき価値観や物事の優先順位を見失う状況が発生してきた。ご迷惑、ご心配をおかけしていることを深くおわび申し上げる」と話した。

共同通信によると、トヨタ自動車グループは昨年世界で１１００万台以上を販売し４年連続で世界の新車販売１位の記録を立てた。これは前年より７．２％増加した数値だ。トップを争うフォルクスワーゲンの９２４万台より２００万台多いだけでなく、これまでトヨタの最多販売台数だった２０１９年の１０７４万台を上回った。

だが昨年からダイハツ工業と豊田自動織機などで品質認証不正疑惑が明るみに出て消費者の信頼を失う状況となった。これに対しトヨタ創業者一族の４代目である豊田章男会長が直接事態を収拾すべきという意見が台頭した。

この日豊田会長は「認証試験で不正をしながら量産してしまった。販売してはいけない商品を届けてしまった。信頼を取り戻すには時間が掛かると思う」と話した。

グループ内で起きた各種不正に対応する次元で６月に１７社のグループ株主総会に株主として参加する考えも明らかにした。豊田会長は「株主の立場、ステークホルダーの立場でトヨタグループを見る」と付け加えた。

◇国内一部生産ラインの中断決定

トヨタはこの日豊田自動織機が生産したディーゼルエンジンが使われたランドクルーザーなど１０車種の出荷を中断し、日本国内４つの工場内にある生産ライン稼動を一時中断することに決めた。これは前日に発表された第三者委員会の調査結果と国土交通省の出荷停止処分に従ったものだ。

豊田自動織機は繊維織機を製造する会社だった。現在は掘削機やフォークリフトなど産業用車両を製造したり、トヨタ自動車に納品するディーゼルエンジンを作っている。

豊田自動織機は昨年３月にフォークリフト用エンジン３種で品質不正が発覚した後、第三者委員会を構成して実態調査をしてきた。調査の結果、エンジンの出力試験時に燃料噴射量を調節して性能が良く見えるようデータを修正した事実が明らかになった。産業用車両だけでなくトヨタに納品する自動車用ディーゼルエンジンの認証試験でも不正があった事実が明らかになり波紋が広がった。

子会社の相次ぐ品質不正事件に日本メディアは親会社であるトヨタのずさんな管理の責任を追求している。日本経済新聞によると子会社で発生した不正は開発期間短縮の圧力のために起きたとみられる。

日経によると、豊田自動織機の社員の間では「量産開始日の順守は絶対である」という認識があったという。そのため数カ月かかる劣化耐久性試験を通過できなければ量産日程に合わせられないというプレッシャーのため不正を行ったという証言が出てきた。別の子会社でも「過度に短い日程のためストレスが深刻だった」という訴えが出てきた。