日本銀行が新年最初の金融政策決定会議でも金融緩和基調を継続することにした。これまでマイナス金利解除の先決条件として強調してきた「賃金引き上げを伴う物価上昇」の流れがまだ確実でないとみるからだ。ただ日本銀行は日本経済が２％の物価上昇目標を達成する可能性が徐々に高まっていると評価し、４月の通貨政策転換への期待を広げた。

日本銀行は２３日、前日から２日間にわたり開かれた金融政策決定会議で短期金利を現行のマイナス０．１％で据え置いた。無制限の国債買い入れを通じ１０年物国債利回りの変動幅上限を１％で維持するイールドカーブ・コントロール（ＹＣＣ）政策も維持することにした。

今回の会議ではマイナス金利解除をめぐる議論がどこまで行われたのかが関心事だった。日本銀行の植田和男総裁はこれまで通過政策転換時期について、「持続的・安定的な２％インフレ目標を達成できた時」と強調してきた。

植田総裁はこの日の会見で、金利引き上げ時期はまだ決まっていないとしながらも、賃金上昇を伴う２％のインフレ目標実現の可能性に対しては「ますます高まっている」と評価した。植田総裁は企業経営者が賃上げに対し肯定的な発言をし始めており、賃金が物価上昇に波及するのも少しずつ拡散しているとしながらこうした動きが続けば「（金融緩和を）継続するか検討することになる」とした。

ロイターはこれに対し「忍耐心を持って超緩和政策を維持しなければならないとしていた植田総裁の普段の発言と違った表現」と解釈した。専門家は日本銀行が３月の春闘で３％台の賃上げ率を確認した後、４月ごろマイナス金利解除を断行する可能性が大きいとみている。