韓国とオランダが「半導体同盟」を公式に明文化した。軍事安保分野の同盟水準で経済安保分野である半導体問題で平常時には緊密に協力し供給網危機時には共同対応に出るという意味だ。このため両国政府は半導体対話チャンネルを新設し、核心品目供給網協議体構成を推進することにした。オランダを国賓訪問している尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は１３日に同国のルッテ首相と会談し、こうした内容を中心とした共同声明を発表した。

合計２０項目で構成された「韓国政府とオランダ政府間共同声明」には半導体分野のほかに外交・安保分野と新技術開発に向けた協力案が盛り込まれた。

半導体同盟は経済協力分野に明示した。「半導体バリューチェーンにおいて両国の特別な相互補完的関係を認識し、政府・企業・大学を合わせた半導体同盟構築に対する意志を再確認した」と記述した。韓国とオランダが外交関係で半導体同盟を明文化したのは今回が初めてというのが韓国大統領室の説明だ。半導体が単純な商品ではなく、国家経済はもちろん安保まで左右する世界的な戦略物資に浮上したという共通した認識に従ったものと大統領室は説明した。

半導体同盟構築に向け両国は外交当局間で年次経済安保対話を新設することにした。特に両国産業当局は半導体政策を調整するための半導体対話機関を別に置くことにした。合わせて核心品目供給網協力了解覚書（ＭＯＵ）を基にした供給網協議体構成も推進される。

外交安保分野協力も強化する。両国は既存の外相間の戦略対話を拡大し隔年で外交・産業通商部門の担当相が参加する「２＋２対話」を設けることにした。金泰孝（キム・テヒョ）国家安保室第１次長は現地での会見で「半導体を含んだ供給網、経済安保、輸出統制分野戦略共助に大きく寄与するだろう」と話した。そのほかにも両国は外務次官補級政策協議会を含め韓国オランダ経済共同委員会、革新共同委員会、汎省庁サイバー政策協議会など不定期的に開催されていた既存の各種協議チャンネルを年次化した。また「国防協力に関するＭＯＵ」を締結し、両国国防協力の制度的基盤も設けた。両国間の国防協力増進の具体的措置として韓国軍は２０２５年にオランダとドイツが主催する多国籍統合防空・ミサイル防衛関連指揮所訓練にオブザーバーとして参加することにした。

未来戦略技術協力では科学技術情報通信部がオランダ側と締結したＩＣＴ協力ＭＯＵが代表的だ。人工知能、量子、次世代ネットワーク分野の協力強化が骨子だ。両国は人的・文化交流の増進と関連し、青年交流の機会を拡大する次元でワーキングホリデー参加者数を年１００人から２００人に拡大することにした。また、博物館間所蔵品交流、共同キュレーション間文化機関交流、アーティスト短期滞在支援プログラムもさらに活性化していく予定だ。

首脳会談後、尹大統領は韓国大統領としては初めてハーグのビンエンホフにあるリダーザール（騎士団の殿堂）と李儁（イ・ジュン）烈士記念館を訪問した。リダーザールは１９０７年に万国平和会議が開かれた所で、高宗（コジョン）皇帝が乙巳保護条約の不当さを知らせるため李儁、李相卨（イ・サンソル）、李瑋鍾（イ・ウィジョン）を特使として派遣した場所だ。当時彼らは現地で乙巳保護条約の無効を宣言し日帝の侵略を告発したが、日本の妨害と列強の冷淡な態度により大韓帝国が独立国であることを認められなかった。悲憤した李儁烈士は当時滞在していたホテルで憤死したが、ここが現在の李儁烈士記念館だ。尹大統領は李儁烈士が使った部屋とベッド、高宗皇帝が授けた特使信任状などの展示物を観覧した。

尹大統領はアムステルダムに戻ると韓国戦争（朝鮮戦争）参戦勇士懇談会を開き、「英雄の制服」を９３歳の参戦勇士に伝達した。

続けて尹大統領とウィレムアレクサンダー国王は韓国オランダビジネスフォーラムの特別セッションに参加した。今回のフォーラムは両国間で初めて開催される大規模ビジネス　フォーラムで、韓国側からは李在鎔（イ・ジェヨン）サムスン電子会長、崔泰源（チェ・テウォン）ＳＫグループ会長、黄柱鎬（ファン・ジュホ）韓国水力原子力社長、具滋烈（ク・ジャヨル）貿易協会会長らが、オランダ側からはピーター・ウェニンクＡＳＭＬ最高経営責任者（ＣＥＯ）ら両国の財界関係者２００人が参加した。この日のフォーラムを契機に両国の企業と機関は先端産業、無炭素エネルギー、物流、農業などの分野で１９件の契約またはＭＯＵを締結した。