イスラエル政府がパレスチナのガザ地区再占領の可能性を示唆した。イスラエルがガザ地区を占領した場合、２００５年９月以降１８年ぶりのことになる。

イスラエルのネタニヤフ首相は６日（現地時間）、米ＡＢＣ放送とのインタビューで、戦争後のガザ地区に対する統治方式についての質問に対し、「イスラエルが決まっていない期間にわたって、全体的な安全保障の責任を負うと思う」と答えた。また「我々がそのような（直接統治）責任を負わなかった時、どのようなことが起きたのかを見た」とし「我々が安全保障の責任を持たない時、我々に起きたのは想像できない規模のハマステロだった」と主張した。

ネタニヤフ首相の発言はパレスチナ自治政府を認めず、再びガザ地区を直接統治するという意味に読まれる可能性がある。これは、これまでイスラエルとパレスチナが共存する「二国家解決」を支持する米国の立場と正面から反する。一部では中東国家を刺激し「第５次中東戦争」の契機になり得るという懸念も提起されている。

イスラエルは先月７日、ハマスの奇襲攻撃後、ハマスを壊滅させるため、ガザシティ地上作戦を控えている。ハマスを共存が不可能なテロ勢力とし、全面戦争を辞さないという意味だ。しかし、ハマス追放後、ガザ地区の統治はまた別の問題だ。バイデン大統領は先月ＣＢＳインタビューで「イスラエルのガザ地区再占領は大きなミスになるだろう」と述べた。

ネタニヤフ首相の発言は、米国の立場に反するものだ。一部では、戦争が進むにつれ、イスラエルがガザ地区に対する原則を変更した可能性があるという観測も出ている。ザ・タイムズ・オブ・イスラエルは５日、匿名の高官を引用して「イスラエルがガザ地区で安全保障の責任を持たない状況はいかなる場合にもない」と伝えた。

ネタニヤフ首相はガザ地区内の民間人死亡者が続出し、国際社会が一時的な交戦停止を求めたが、「休戦はない」として地上軍投入に先立ちガザ地区内４５０カ所を砲撃した。

ただ、ガザ地区内の民間人死亡者が１万人を超えると、ネタニヤフ首相はバイデン米大統領との電話インタビューで、「戦術的交戦停止」の可能性について話し合った後、「人道主義的救護品の搬入とわが人質が移動できるように状況を点検する」とし、人道的レベルでの作戦中止を考慮できると明らかにした。

国連と一部の西側諸国は一時的な交戦停止を越え、「即時休戦」の必要性まで提起している。アントニオ・グテーレス国連事務総長は同日、「ガザ地区が子どもたちの墓になっている」と休戦を促し、国連パレスチナ難民救済事業機関（ＵＮＲＷＡ）もＸ（旧ツイッター）に「戦争で１０分に１人ずつ子どもが死亡し、２人がけがしている」という声明を出した。世界保健機関（ＷＨＯ）、国際移住機関（ＩＯＭ）、国連児童基金（ＵＮＩＣＥＦ）なども共同声明で紛争停止を求めた。スペイン・フランスは休戦の必要性を力説している。

高麗大学中東・イスラムセンターのソン・イルグァン研究委員は電話インタビューで、「イスラエルがガザ地区を統治するというのは、米国と国際社会の反対が激しいので現実的ではなく、特に全面的な支援を送ってきた米国の意思を断るのは事実上不可能だ」とし、「ガザ占領の言及は政治的危機に追い込まれたネタニヤフ首相が政治状況を突破するための『国内政治向け』のスローガンである可能性がある」と述べた。