【時視各角】中国電気自動車の奇跡、ただでできたのではない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.11.02 09:50
中国の自動車産業は20年ほど前には注目されなかった。世界的メーカーが集まり合弁工場を多く作りはした。膨大な市場と安い労働力を狙ったものだった。もともと中国企業の競争力は良くなかった。米国、ドイツ、日本の自動車のライバルにならなかった。そこで視線を転じたのが電気自動車だ。エンジン車の支配者だった米国とドイツはその当時は電気自動車への関心が低かった。ハイブリッド技術でリードしていた日本も同じだった。
ここにある人物が登場する。文化大革命を経てドイツで博士学位を受けアウディで核心エンジニアとして勤めた万鋼だ。彼はエンジン競争では中国が自動車後進国の立場を免れることはできない点と、親環境時代が到来することを確信し、電気自動車の集中育成に出るよう中国政府を説得した。ドイツでの保障された暮らしを捨てて2000年に中国に戻った彼は同済大学学長を経て2007年に科学技術部部長(閣僚)に任命される。35年ぶりの非共産党員の閣僚だった。彼はその後11年間にわたり科学技術部を率いて中国の国家能力を総動員して電気自動車育成にオールインした。中国は莫大な補助金と税政優遇を提供した。2009~2022年の税金減免は300億ドルというブルームバーグの分析もある。大規模充電ネットワーク構築だけでなく、バスやタクシーなど公共交通システムを電気自動車に変え新生企業が収益を出せる市場まで造成した。鋭い洞察力と執念で中国の電気自動車時代を開いた万鋼を外信は「中国電気自動車の父」と呼ぶ。