福島原発の汚染水放流が始まった後、中国人が中国内の日本人学校に石を投げ込む事件が起きるなど中国内の反日感情が高まっている状況が中国政府の「意図的脚本」という分析が出てきた。

米外交専門紙「フォーリン・ポリシー（Ｆｏｒｅｉｇｎ　Ｐｏｌｉｃｙ、ＦＰ）」は２９日（現地時間）、「中国が反日感情を煽る理由」という題名の記事で「（全世界の）科学者のほとんどは普遍的に今回の放流が安全であることに同意しているが、中国は日本産水産物輸入を禁止して国営メディアで反日キャンペーンを行うなど怒りにみちた反応を見せている」とし「日本の福島汚染水放出に対する怒りは国家主義的な筋書きに従ったもの」と解釈した。

ＦＰは「各種誇張されたメディア報道によって中国は汚染水放流に対する恐怖がある」とし「２０１１年福島事故の時と同じように人々は放射能から自分を守るために塩を買い占めている。特に中国自身も自国の原子力発電所で処理された汚染水を定期的に海洋に放流しているにも関わらずこのようなことが起きている」とした。

日本に対する中国人の怒りは「国際電話攻撃」などに広がっている。福島県の飲食店や宿泊施設、官公庁などでは中国の国家番号「８６」から始まる電話が鳴り響いているという。中国人は相手が電話を取ると「ショリスイ」（処理水）のほか、「バカ」（馬鹿）、「シネ」（死ね）など誹謗する日本語を浴びせているとＡＦＰ通信などは伝えた。

これについてＦＰは「中国共産党に対する信頼性は理念と経済、民族主義という３つの柱にかかっている」とし「しかし（共産党に対する）理念的信頼度は数十年前の文化大革命以降崩壊し、経済も低迷しているため残っているのは民族主義」と説明した。共産党体制の維持のために日本を前面に出して反日感情を高めているという趣旨だとみられる。ＦＰは「２０世紀に中国で日本が犯した残酷な歴史を考えれば民族主義は簡単に思いつく選択肢」とし「中国共産党は日本の処理された廃水放出をまた別の形の外国の抑圧と侵略として描写する可能性がある」とした。