「いつまでこんなやり方で対応できるのか……」
以前会った市中銀行頭取A氏の顔には心配そうな表情が歴然としていた。当時、5大都市銀行が「セマウル金庫救済」に投入された状態だった。不動産プロジェクトファイナンス(PF)の不良が浮き彫りになり、セマウル金庫の延滞率が6%台まで急騰したためだ。不安が高まり、一部の店舗ではバンクラン(大量引き出し)の兆しまで見られた。切羽詰まった金融当局は、都市銀行を火消し役として呼び出した。都市銀行は、セマウル金庫の債券を買い入れる形で大規模な資金を輸血した。続いて、セマウル金庫預金を事実上全額保障するという異例の宣言が出て、ようやく不安が静まり始めた。昨年のPF不良で中小型証券会社が揺らいだ時、大型証券会社が乗り出したのとほぼ同じ対応だ。