中国のマイクロン制裁は広島サミットで議論した中国の経済報復防止対策の無力化を狙ったものと分析される。Ｇ７首脳らは２０日、「経済的強靭性及び経済安全保障に関するＧ７首脳声明」を採択し、「経済的威圧に対する共同の評価、準備、抑止及び対応を強化するため、『経済的威圧に対する調整プラットフォーム』を立ち上げ、連携を強化していくとともに、Ｇ７以外のパートナーとの協力を更に促進していく」と合意した。中国を名指しはしなかったが、特定国に対する経済報復が発生すれば集団で対応するという趣旨だ。

中国はＧ７が合意した集団対応プラットフォームの芽を切るため韓国を狙った。中国証券時報は２１日、弁公室のマイクロン制裁が出されると「サムスンとＳＫハイニックスなど韓国のメモリーメーカーが将来米マイクロンの市場を代替するだろう。中国メモリーメーカーもやはり機会を迎えるかもしれないが先端製品では格差が相変わらずだ」と報道した。

これに対し韓国は慎重に対応すべきという声が出ている。成均館（ソンギュングァン）大学中国大学院のパク・ギスン教授は「中国がマイクロンを制裁したのは韓国企業もやはりいつでも制裁できるというメッセージ。中国の規制に共同で対応することにより今後韓国を狙う制裁の発生の可能性を防ぐ必要がある」と話した。

◇バイデン大統領「米中関係早期に改善されるだろう」

一方、米国の中国専門家であるジョージ・ワシントン大学のデイビッド・シャンボー教授は１９日に米中交流基金会の公式サイトへの寄稿文で「米中両国は政府間のハイレベル交流を安定させ再び制度化するために双方が取るべき順次的な相互措置に対するロードマップを作る可能性が非常に大きい」と予想する。親中性向の台湾紙旺報が２２日１面トップでシャムボー教授の米中ロードマップ寄稿文を報道しながら米国と水面下での対話を推進する中国の期待感を間接的に示した。

これと関連しバイデン米大統領はＧ７サミットを終えた後記者らと会い、米中関係が早期に改善されると期待すると明らかにしたとブルームバーグが２１日に伝えた。バイデン大統領は２月に米中関係を悪化させた中国の偵察気球撃墜問題と関連し「トラック２台分のスパイ装備を積んだ愚かな気球が（力学関係を変えた）。近く雪解けを見ることになると考える」と話した。

その上でバイデン大統領はオースティン米国防長官が来月２～４日にシンガポールで開催されるアジア安全保障会議（シャングリラ対話）を契機に会う中国の李尚福国防相に対する制裁解除を検討していると明らかにした。ただバイデン大統領は習近平中国国家主席と電話会談が早期に進められるのかについては言及しなかった。

中国、米マイクロン制裁に続き日本大使招致まで…韓国試験台に上がるか（１）