【コラム】韓日戦、野球で負けた? 本当の理由を教えてくれる大谷の「リテラシー」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.04.19 09:42
3月10日、私は東京ドームにいた。その日、2023ワールドベースボールクラシック(WBC)韓日戦が開催されたそこには2つの顔があった。我々の日常生活で最もホットな「金曜日午後7時」の試合だった。昼12時が過ぎた時間からファンが集まり始め、4万5000人収容の観客席が満席になった。午後6時55分ごろ、始球式のために岸田文雄首相がマウンドに向かった。安倍晋三元首相が遊説中に銃で撃たれた事件から1年も経っていないからか、警護は徹底されていた。岸田首相は笑顔で始球式をし、栗山英樹監督が出迎えてそのボールにサインをした。一塁側の日本選手団、その後ろの観客席のファンが拍手を送った。その時間、東京ドームはスポーツとしての野球の韓日戦と日本の政治、社会、文化が見える象徴的な空間だった。
三塁側の韓国選手団は前日のオーストラリア戦で敗れ、負担を感じている雰囲気だった。当時、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が東京ドームに来て共同で始球式をするかもしれないという噂もあった。しかし別の外交的イシューのためか、噂は噂で終わった。尹大統領は約20日後、韓国プロ野球の開幕日に大邱(テグ)で始球式をした。
韓日戦らしく「ジャンケンも負けられない」という選手たちのライバル意識は強かったが、レベルの差は歴然だった。韓国はその日、4対13で大敗した。試合後には「東京惨事」「屈辱」などの表現が出てきた。日本は米国との決勝で、マウンドの大谷翔平が最高の打者マイク・トラウトを空振り三振で仕留める「漫画より漫画らしい最後の場面」を演出し、「結局」優勝した。WBCは野球に真摯な彼らが14年ぶりに世界一(WBC優勝)を奪還する旅程の完成だった。