今月１６日に日本を訪問する尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領が岸田文雄首相と当日夕方に「２回の晩餐」を行うことが１３日、分かった。韓日首脳がシャトル首脳会談はもちろん、国賓および公式訪問の時も場所を移して１日に２回の晩餐を行うのは前例のないことだ。

外交筋によると、１泊２日の日程で訪日する尹錫悦大統領は、岸田首相に会って首脳会談を行った後、共同記者会見を開く予定だ。その後晩餐会が開かれるが、日本側は異例に２回にわたって夕食を用意したという。東京の中心街で行われる２回の晩餐のうち１カ所は、日本が尹大統領に配慮して場所を決めたという。尹大統領が就任前から日本側関係者に会った時、「私が昔行ったことがある食堂だが、思い出が残っている」と話し、このことを忘れなかった日本政府側が特別に２回目の場所として用意したと消息筋が伝えた。

特に、席を移して２回目に開かれる晩餐会では、尹大統領と岸田首相が胸襟を開いて時間を過ごせるように、ともに訪日する金建希（キム・ゴンヒ）夫人も同席しないという。両首脳は酒が好きだ。

日本は海外首脳の訪問の度に晩餐会場を慎重に選んできた。昨年５月、バイデン米大統領の訪日の際、日本は江戸時代特有の庭園を楽しめる「八芳園」で晩餐会を開いた。当時、岸田首相の夫人である裕子夫人がこの場所でお茶をたててふるまった。

尹大統領の今回の訪日は「国賓訪問」ではなく「実務訪問」だ。韓日懸案である強制徴用賠償問題の解決案を韓国政府が提案し、両国関係の回復のために急いで調整した実務訪問だが、異例の２回にわたる晩餐を通じて両国首脳が関係回復の意志を固めるという趣旨に読まれる。