【日本経済特集】13.年金・健保問題で「死に物狂い」
中堅企業で生涯働き通し、6年前に退職した藤原(66)さんは、ただの一度も息子たちに経済的援助を求めなかった。毎月、通帳に国民年金と厚生年金25万円がきちんと振り込まれるからだ。
「少し多過ぎる感じもする。やることもないのに、少なくない金をもらっているから…。大金を使うこともないので、毎月受けとる年金の半分は貯蓄している」。日本には、藤原さんのような「年金金持ち」があふれている。国民年金、厚生年金、厚生年金基金といった二重、三重の年金が老後を保障してくれているからだ。だが今、こうした「良き時代」が大揺れしている。