イラン抑留95日、韓国政府相手の訴訟1年…国際紛争も企業の責任なのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.01.29 12:06
「政府を相手に訴訟をこれ以上継続するのはもどかしく先が見えません」。
2021年にホルムズ海峡でイラン軍に拿捕された「韓国ケミ号」を所有海運会社DMシッピング関係者は27日、電話で訴訟の話を切り出すとため息をついてこのように話した。DMシッピングは「当時韓国政府が積極的に保護措置に出ず、会社が直接金を払って解放された。莫大な営業損失まで出した」として2021年9月に韓国政府を相手取り損害賠償請求訴訟を起こした。裁判が始まって1年を過ぎた状況で先に手を上げたのは海運会社だった。ソウル中央地裁がこの日開いた3度目の弁論期日で海運会社側が調停の意思を明らかにしたのだ。
韓国ケミ号は2021年1月、大規模海洋汚染を理由にホルムズ海峡でイラン革命防衛隊に拿捕された。米国の対イラン制裁により韓国で凍結された原油輸出代金70億ドルを受け取ることがイランの本心であることが続けて明らかになった。韓国ケミ号の船長は、韓国政府がイラン政府が出すべき国連分担金1600万ドルを韓国国内に凍結した資金から納付し、COVAXファシリティを通じて新型コロナウイルスワクチンを提供すると約束した後に解放された。抑留から95日後だった。それでも海運会社はイランが要求した巨額の海洋汚染損害賠償金も負担しなければならなかった。