今年の厳しい貿易状況でも昨年より１５％成長した輸出品目がある。韓国水産食品だ。この中でも最高の人気は「海苔」だ。韓国海苔は世界市場で７０％のシェアを占め、食品分野の韓流ブームをリードしている。

２１日、海洋水産部（海洋部）によると、今年の水産食品輸出額は目標の３０億ドルを早期達成し、史上最高となる見通しだ。特に海苔の輸出が６億２０００万ドルで最も大きな部分を占めている。海苔の輸出額は１０年に１億ドルを突破して以来、２０１９年から水産食品の中で１位の座を守っている。

韓国海苔は高い品質と味はもちろん、様々な味の海苔スナックなど製品開発を通じて愛されている。政府は加工設備の現代化、貿易支援などを通じて海外市場への進出を支援している。

実際、世界１７カ国に海苔を輸出しているソンソ食品は今年「Ｋ・ＦＩＳＨ」ブランドを掲げて韓流と連携したマーケティングを展開し、インドネシア進出に成功した。Ｋ・ＦＩＳＨは政府の評価を得て品質を認証する水産物国家統合ブランドだ。海洋水産部の海外認証取得支援事業を通じて米国農務省（ＵＳＤＡ）全米有機プログラム（ＮＯＰ）を受けた味付け海苔が米国ウォルマートやコストコ、アマゾンなど大型流通売場に入店している。特にチェダーチーズ味・アボカド味・チリライム味など現地人の口に合わせた製品が人気だ。

米国、カナダ、日本などに海苔を輸出するＪＫグローバルも、政府の国際認証取得支援と海外販促支援を受けて輸出を増やしている。これを踏まえて今年のカナダ輸出が前年比７１０％急成長したりもした。

国内水産企業・団体連合である韓国水産会関係者は「多くの企業が輸出を漠然と考えたが、海外バイヤーに会うチャンスが多くなり急速に成長している」と伝えた。海苔は養殖・加工・流通などすべての段階が韓国国内で行われる。この過程で創出される付加価値のほとんどが国内に戻ってくる「キャッシュ・カウ」だ。政府は契約生産と施設改善で国内産海苔の品質を高めている。また、成長可能性の高い米国市場を集中的に攻略し、世界の海苔市場シェアをさらに高めている。

海洋水産部のチョ・スンファン長官は「来年も韓国水産食品輸出が持続的に成長できるように欧州など新市場開拓支援、マーケティング強化、物流補強など輸出企業支援に最善を尽くす」として「水産食品クラスター造成など産業高度化の基盤をつくり、輸出に活力を吹き込むことができるように取り組む」と強調した。