韓国代表選手出身であるサッカー解説委員のキム・ヒョンボム氏が、サッカー・ワールドカップ（Ｗ杯）カタール大会で韓国代表チームを率いたベント監督について、「業績を成し遂げたのは事実だが韓国サッカーをビルドアップ基盤でものすごく変化させたものではない」として韓国人監督がやってもこの程度はしたという趣旨の発言をした。

キム委員は１４日、ユーチューブチャンネルの「チャンネルサクセス」に出演し、アルゼンチンとクロアチアの準決勝の試合を分析しながらこのように話した。

キム委員は、成果は認めながらも韓国サッカーを換骨奪胎させたものではないとして冷静に線を引いた。ベント監督を称賛するのはＷ杯ベスト１６という成果によってできたバブルだというのが彼の分析だ。

キム委員は「もしベント監督が（成績が）良くなかったら矢が半端ではなかっただろう。大会前から意気込んでいたファンが多かった」とした。

続けて「（そうしたファンらが）みんな急変して『ベンボジ』（ベントに父を意味するアボジを組み合わせた造語）と呼んでいる。人間的にベント監督を信じて支持した方は認める。だがそうではなかった方がとても多い」とした。その上で「ベント監督が良いサッカーをして拍手を送るが過程において不安さを見せ、明確に韓国のファンから不満を買うだけのものがあった。ところが突然とても称賛している」と指摘した。

キム委員は「韓国の選手構成をめぐり歴代級という表現を多くしている。ベント級、国内監督級を見ると…（監督がだれであれ）この程度のサッカーはしただろうと考える」とした。

キム委員は「ベント監督がいま業績を成し遂げたのは正しい。しかし韓国サッカーをものすごく変え、ビルドアップというものが完全に変わり韓国サッカーが変わった（というが）、私はその程度の級でないとみる。途轍もない勢力がベント監督が韓国（サッカー）に対する影響力がものすごいものと表現している」とした。続けて「ベント監督が４年間にビルドアップサッカーを作った途轍もない業績？　私は実際そのようには考えない」とした。

キム委員は「韓国が持っている特色をより生かしたとみる。もちろん基礎的なビルドアップに対する作業を長くしてきたので韓国選手もある程度できたということは認める。だがだからと言ってそれをできないメンバーではなかった」と話した。その上で「功労は認める。さげすもうとする意図ではない」と付け加えた。

キム委員は「韓国が行った試合を見ればビルドアップサッカーとみるのは難しい。韓国は守備サッカー、組織力あるサッカー、献身するサッカーをした。ベント監督がこうしたサッカーをしようとしたのではない」と評した。

こうしたキム委員の評価に対しネットユーザーは否定的な見方を多く出している。「良いメンバーで良い成績を出すのも監督の能力」「ビルドアップサッカーの概念を植え付けたのがベント監督」という意見だ。

大韓サッカー協会のキム・ビョンジ副会長も６日にＣＢＳラジオのニュース番組とのインタビューで「それまでの４年間にベント監督が見せた選手構成、選手交代のタイミング、戦術変化がＷ杯では完全に違った。これまでファンが望むサッカーをしなかったがＷ杯ではファンが望むサッカーをそのまま見せた。これがどのようにこのように突然変化したのか私も事実気になる」と話した

キム委員が「今大会の成果を評してビルドアップサッカーではなく韓国が持っている特色をさらに生かしたものと考える」と話したのと軌を一にする部分だ。

キム委員の発言は再編集され、現在該当ユーチューブチャンネルでは見られない。だがコミュニティサイトなどにキム委員の発言内容が残っている。