【コラム】米国の利上げにお手上げ、為替防波堤構築しなくては=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.10.04 11:12
外国為替市場が文字通り揺れ動いている。米連邦準備制度理事会(FRB)が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の政策金利引き上げを断行すると為替相場は1ドル=1400ウォンを突破してからわずか1日で1430ウォン台に迫った。ウォン相場の場合、2008年の金融危機以降で最も強力な抵抗線は1240ウォン水準だった。ところが3月にFRBがゼロ金利から脱離した3月にこの抵抗線が突破されると、その後断行した1回の0.5%の利上げと続く3回の0.75%の利上げに押され1400ウォンまで垂直落下しもう下段を論じることが無意味になった。あえて推定するならば1980年代中盤以降ドル指数インデックスが120程度で最も高かった2000年代初期水準にドルが上昇する場合、今後約5.5%程度の追加下落の余力がありこれによるとウォン相場は1ドル=1480ウォン程度までウォン安が進むという計算が出ている。
為替相場は相対価格だ。ドルが高くなったとすれば、ドルが急騰したか、ウォンが急落したか、そうでなければ2つの現象が同時に重なって起きたためだ。今年為替相場が急騰した要因はほとんどが「強いドル」と呼ばれるようにドルの急上昇に起因するところが大きい。先に述べたドルの価値の尺度であるドル指数の場合、年初の95.0からこの20年来最も高い水準である113.6まで19.5%ほど急騰した。同じ期間にウォン・ドル為替相場の増加は22%程度で大部分がドル上昇に起因するということが分かる。外国為替当局が「ウォンだけ価値が下落したのではない」という強弁が説得力を持つ理由だ。
ところでひとつ注目すべき点は8月末からウォン自体の弱さの兆しも微細ながらみられる点だ。ウォンはユーロやカナダドル、中国人民元など主要通貨に対して価値が急落し先週から本格化した外為当局の積極的介入によって再び安定傾向を見せている。それだけ外為市場が鋭敏だという傍証だ。金融市場が次第に鋭敏になるという証拠は最近国際金融市場を揺さぶっているポンド急落でも見ることができる。ウクライナ戦争の直撃弾を受けた英国はすでにスタグフレーションに陥った状態だ。