米「グローバルサプライチェーン再編」の波紋…G2に挟まれた韓国(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2022.08.13 12:30
210億ドル(約27兆ウォン、約2兆8000億円)。最近、米国議会を通過したインフレ削減法案(IRA)が今後5年間に削減すると推定される米国政府の予算規模だ。米議会予算局(CBO)が分析したこの金額は、同じ期間の米国のGDPの0.018%にすぎない。政府の支出を減らしてインフレを抑えるという法案の趣旨が疑われる理由だ。民間の評価はさらに厳しい。米ペンシルベニア大ウォートンスクールの予算モデル(PWBM)はむしろ今後5年間に政府の支出が614億ドル増えると推定した後、IRAがインフレに及ぼす影響は「認識できないほどわずかな水準」と評価した。
世間の評価がこうであるため、IRAの本当の目的はインフレ削減でなくサプライチェーン再編という解釈に傾く。法案の骨子は2030年までに気候変動対応に3690億ドルを投入し、大企業に少なくとも15%の法人税を賦課して財源を確保するという内容だが、この過程で中国を徹底的に排除しているからだ。例えば、この法案に基づくと、米国内で組立・生産した電気自動車を購入する場合に限り税額控除を適用するが、この過程で中国が入り込む余地を残さなかった。電気自動車の核心部品バッテリーのほか、バッテリーの原料となる主要鉱物も米国または米国と自由貿易協定(FTA)を締結した国で採掘して生産したものを使用しなければならない。中国産の電気自動車はもちろん、中国産部品を使用した電気自動車は税制優遇を受けることができない。バッテリーサプライチェーン全般を事実上、米国内に再編するという意志が込められたのだ。