【コラム】脱北者を送り返した板門店の野蛮(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.18 17:07
目隠しして手を縛るとは。だれの発想だろうか。23歳と21歳の北朝鮮青年が警察特攻隊に捕えられたままもがきながら北朝鮮軍に渡される姿。人民裁判の写真でも、原理主義者らが人質を害する動画ででも見た場面ではないのか。処刑直前に縛られた張成沢(チャン・ソンテク)、中国公安に獣のように引きずられてきた脱北者の姿も重なる。分断の象徴である板門店(パンムンジョム)の黒歴史に一点を追加するその野蛮な場面の演出者、大韓民国政府だった。
2019年11月の脱北船員強制送還の真実を糾明することをめぐり野党は「新北風世論集め」と攻撃するが、この事件を糾明しろという要求は古くなった。送還当日である11月7日、安保室第1次長のスマートフォンのショートメッセージがメディアのカメラに撮られて「発覚」してから国連と国際人権団体まで乗り出し真相を明らかにするよう申し入れてきた。信憑性が不明確な情報源から伝えられた内容が、統一部の写真公開により「見るのも苦痛な」(クリス・スミス米下院トム・ラントス人権委議長)、実在したことであることが確認されただけだ。