【コラム】今回が通貨危機・金融危機より恐ろしい理由=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.05.24 10:54
経済危機が再来したらV字反騰が可能だろうか? 今回は大きく違う。通貨危機が新興国の一時的危機だったなら今回は世界の構造的危機だ。低金利パーティーをあまりに長く楽しんだ後遺症だ。企業のファンダメンタルズに比べ株価が過度に上がった。資金があふれ不動産から債券、金属、エネルギー、ブランド品、美術品、暗号資産まで世界が投機の場になった。バブル崩壊を心配していたところにコロナ禍とウクライナ戦争でエネルギー、食糧、原材料・部品供給網が崩れ物価が高騰した。各国の財政はGDP比の国の債務比率100%を行き来するなど借金の山だ。
金融危機当時のように金融を緩和して対処するのも難しい。インフレを防ぐために金利をしばらく上げなくてはならない。IMFは韓国の今年の消費者物価上昇率を金融危機以降で最も高い4%と予想する。物価上昇で財布が薄くなった労働者の賃金引き上げ要求が強まるだろう。民主労総は10%、韓国労総は8.5%の賃上げを要求した。賃金を上げれば引き上げ分が製品価格に反映されて物価がさらに上がる。「賃金発インフレ」だ。サマーズ元米財務長官は「高い賃上げ率がインフレを刺激し続けるだろう」と警告した。