【コラム】孫興民だけが国威宣揚? BTS兵役特例をめぐる論議は大衆文化の蔑みだ=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.04.22 11:23
ラスベガスはBTSのコンサートが開かれた8~16日都市全体が紫色に染まった。20年前、韓国大衆文化が初めて周辺国に目を向ける時には想像もできなかった場面が米国の主な都市で繰り広げられたわけだ。K-POPだけでない。映画産業の本流とされる米国のアカデミー授賞式で韓国映画が作品賞や監督賞・演技賞を受け、グローバルOTTのランキングで韓国のコンテンツが全世界1位にのぼることも今や馴染んできた。われわれのそばで毎日をともにした大衆文化コンテンツが歴史上一度も経験したことのない「文化の世界進出」を実現し、国民に幸せな「ナショナリズム」という贈り物を与えている。
だが、韓流初期には違った。2003年、韓国文化観光政策研究院開院1周年記念シンポジウムを見ても今と雰囲気が全く違った。低級な「タンタラ(芸能人を見下げて呼ぶ言葉)」の大衆文化が韓国代表として海外に紹介されることが不愉快に思われた。大衆文化に対するこのような差別的見解は政府官僚や政治家にも根強かった。大衆文化の熱烈なファンダムだけを利用したがり、尊重するほどの価値のある、何かには見ないようだった。政治イベントや政府行事にアイドルスターなどを動員してツールとして活用しながらも、本来大衆文化産業に必要な支援政策は疎かにしたからだ。