【コラム】尹錫悦政権、韓日米TTCを提案すべき(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.04.12 10:55
韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領の動きが活発だ。政策協議代表団と命名された高官級代表団を米ワシントンに派遣し、自身は平沢(ピョンテク)の米軍基地を訪問した。大統領選挙の候補だった2月、米国の代表的な外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に寄稿し、「韓米同盟強化を外交政策の中心軸にする」とした次期大統領の意志を確実に読み取ることができる。
文在寅(ムン・ジェイン)政権で論議を呼んだ「戦略的あいまい性」でなく「戦略的確実性」に韓国外交の軸が急旋回している。注目すべきことは、外交が安保はもちろん経済とも密接になっている時代という点だ。世界2位の経済大国に浮上した中国は技術崛起を通じて米国の覇権に本格的に挑戦している。習近平主席が「太平洋は米国と中国が分け合うべき」とし、東アジア覇権の野心を露骨に表して久しい。自由国際秩序に中国を包容すれば中国はすべて自由に変化するという米国の期待は失敗に終わった。米国の中国牽制と封鎖はトランプの第1幕を過ぎてバイデンの第2幕に入った。
20世紀後半を支配していた米国とソ連の冷戦構図が終息した時、西欧は「歴史は自由民主主義の勝利に終わった」と主張した。地球上最初の共産主義国家ロシア、続いてロシアが構築した東部欧州の共産陣営が崩れた時、「歴史の終わり」と宣言したフランシス・フクヤマは西欧の知性の世界観を代弁した。相手を崩壊させようとする敵対的な政治体制間の競争が消えた後、「どの国が国民を裕福にするか」だけが重要になった。経済論理が圧倒した。「政治体制が違っても取引できる」という新しい世界が開かれた。すべての国がそのような世界に向かった。「マクドナルドが進出した国の間で戦争はしない」というトーマス・フリードマンの主張は新しい時代の精神を雄弁に語った。