トランプ前米大統領がロシア大統領府にバイデン大統領の息子の不正に関する情報を提供するよう要請した。トランプ前大統領はこれに先立ち２度の大統領選挙でもロシア大統領府に情報を求めた。

ＣＮＮが２９日に伝えたところによると、トランプ前大統領は米国の右派性向オンラインメディアのジャスト・ザ・ニュースとのインタビューで、バイデン大統領の二男ハンター氏が過去にロシアの財閥から３５０万ドルを受け取ったという疑惑を改めて取り上げた。

トランプ前大統領は「プーチン大統領はこれに対する答を知っているだろう。プーチン大統領は（関連情報を）公開すべきだ。私たちはみんなその答を知るべきだ」とした。ただＣＮＮはどのような証拠があるのか、ロシア大統領府がそのような情報を持っているのかに対しては確認されていないと伝えた。

トランプ前大統領は大統領選挙当時からハンター氏と関連した疑惑を提起し続けてきた。当時共和党は上院報告書を通じハンター氏が設立した会社が元モスクワ市長夫人だったロシアの財閥エレーナ・バトゥリーナ氏から３５０万ドルを受け取ったと主張した。

ＣＮＮによると、バイデン大統領が副大統領だった当時、ハンター氏はウクライナや中国など海外でコンサルティング業務を行い相当な報酬を受け取った。これと関連し米司法省はハンター氏を対象にこうした取引と潜在的な金融犯罪に対する捜査を進めている。

だがバイデン一家が私益のために腐敗しているというトランプ前大統領の主張を裏付けるほどの証拠は出ていないとＣＮＮは伝えた。ハンター氏はこの疑惑を否認している。

外信はトランプ前大統領の動きは政治的利益を前面に出した処置だと報道した。

ＣＮＮは「トランプ前大統領がウクライナ侵攻で世界的な非難を受けているプーチン大統領の助けを受けてまで国内政治に乗り出している」と報道した。

ワシントン・ポストは「プーチン大統領に対する米国内の世論が否定的な中で、（こうした発言は）トランプ前大統領にもっと大きな影響力を及ぼすための機会にすぎない」と伝えた。同紙は最近の世論調査で米国人の８８％がプーチン大統領に否定的な見解を持っているとし、「オサマ・ビンラディン級」と伝えた。

トランプ前大統領がプーチン大統領に政治的な助力を公開的に訴えたのは今回が初めてではない。

２０１６年の大統領選挙当時にトランプ前大統領は民主党の大統領選候補ヒラリー・クリントン氏の電子メールスキャンダルを暴くためプーチン大統領にヒラリー氏個人の電子メールをハッキングするよう呼び掛けて議論を起こした。

また、先月２２日にトランプ前大統領はプーチン大統領のウクライナ侵攻決定をめぐり「天才的」と表現して物議をかもした。当時トランプ前大統領はバイデン大統領を狙って、自身が大統領だったらウクライナ侵攻は起きなかったと主張した。

この日米政治専門メディア「ザ・ヒル」はハーバード大学米国政治研究所と世論調査機関梁スポールの世論調査結果を引用し、いま大統領選挙が行われるならトランプ前大統領がバイデン大統領に勝つだろうという世論調査結果が出たと報道した。