【コラム】強大国の理論把握してこそ国家安保を守れる=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.03.29 11:46
その後の状況はバーンズ氏が予測した通りに展開した。2008年8月にロシアはジョージアを侵攻占領し2014年にはウクライナ南端のクリミアを併合したのに続き今年2月にはウクライナに侵攻した。それがプーチンのロシアが実際に感じた深刻な安保脅威のためなのか、過去のソ連復活に対するプーチンの時代錯誤的妄想なのかは評価が異なるかもしれない。プーチン大統領が2024年の大統領選挙を控え前例のない長期政権に対する名分を作るための強引な手段かもしれない。
バーンズ氏の回顧録には米国ミサイル防衛網の欧州配備と関連した話も出てくる。2007年、米国はイランのミサイルに対抗するという名分でポーランドとチェコにミサイル防衛網設置を検討していた。バーンズ氏は今回も「性急に配備するな!」として慎重に処理することを本部に強く建議した。その後米国は2016年にポーランドとルーマニアに弾道ミサイル防衛システムを設置した。欧州に対するイランのミサイル攻撃に備えるという名分だったが、ロシアはNATOとロシアの戦略的安定性を破壊する措置と考えた。今回のウクライナ問題解決案と関連したロシア側の提案にも東欧に配備された米国のミサイルの撤収が盛り込まれている。