娘のサランは秋山の「ビタミン」だ。秋山は「『パパはもうすぐ試合をする』と話して以降、サランは口を利かない。『パパが戦うのは嫌』という表現だ。子どもが傷つかないように最近は『パパは頑張っている』と話している。それ以上話せば泣いてしまう」と伝えた。

専門家は秋山にも勝算があると分析している。青木はグラップリング（組み技）が得意だが、秋山が試合序盤にパンチで圧倒すれば勝利する可能性があるとみている。しかし秋山の評価は冷静だ。秋山は「青木は強い相手だ。階級まで落とした私が勝つ可能性は高くない」と語った。

「自信あふれる言葉を期待したが意外だ」というと、「今は痛いことは痛い、つらいことはつらいと正直に話す年齢になった。自尊心だけを前に出すことはできない」と言って笑った。それでも退く考えはない。秋山は「新人の時は強い相手であるほど闘魂を発揮した。ケージですべてのものを出したい。私の試合を見て同じ年頃の４０－５０代のおじさんが『あの年齢でも挑戦して夢を見ることができ、努力すればできる』という希望を抱けばいい」と話した。

秋山は試合用パンツに太極旗と日章旗を同時に入れている。これに対し一部のファンは「二股」と非難する。在日同胞の秋山成勲は柔道選手だった１９９８年に韓国に来て太極マークを付けた。しかし国家代表選抜戦で派閥のために不当な待遇を受けると判断し、３年余りで日本に戻った。２００１年に日本に帰化した。秋山は今回も同じパンツを使用するという。

秋山は「今は日本で暮らしているが、それでも韓国に関するすべてのものが消えるのではない。韓国と日本を共に抱えて生きなければいけない」と語った。インタビューを終える前「今回が引退試合になるのか」と尋ねた。秋山は「今が始まりだ。私の夢は５０代のおじさんチャンピオン」と話した。

◆秋山成勲（あきやまよしひろ）

生年月日：１９７５年７月２９日（日本大阪）

職業：格闘技選手、タレント、モデル

体格：１７５センチ、９０キロ

階級：ウェルター級（８４キロ級）、ライト級（７７キロ級）

ニックネーム：サランのパパ、セクシー山

家族：妻＝矢野志保、娘＝チュ・サラン

その他：在日同胞、２００１年に日本国籍に帰化

主要経歴

２００１年アジア柔道選手権男子８１キロ級金メダル（韓国代表）

２００２年釜山（プサン）アジア競技大会柔道男子８１キロ級金メダル（日本代表）

２００６年格闘技ＨＥＲＯ’Ｓライトヘビー級チャンピオン

＜総合格闘技＞秋山成勲「私の夢は５０歳チャンピオン」…試合前の心境（１）