【コラム】いま韓国にゼレンスキーほどの政治家はいるか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.03.03 14:44
まるで内戦を彷彿させ、93日間延々と続いた2013年11月ウクライナ・キーウ(キエフ)のユーロマイダン(欧州広場)デモを扱ったドキュメンタリー『ウィンター・オン・ファイヤー: ウクライナ、自由への闘い』(2015)を今さら鑑賞した。警察特攻隊(ベルクト)や犯罪者出身の傭兵部隊でも足りず、自国民に向かって狙撃手まで配置した親ロシアのヤヌコビッチ政権の暴力的鎮圧に対抗して死を辞さない抵抗に出たウクライナの人々の姿にただ涙が出た。独立(1991年)してわずか20余年の新生独立国家として政治不安と外勢威嚇に苦しめられるウクライナの姿が、大韓民国の建国、そしてその後に続く戦争の傷などと重なって深く感情移入してしまったようだ。遠くにある東欧の国ではなく、私たちの過去と向き合った感じだったといおうか。
ドキュメンタリーを簡略に紹介するなら、国民との約束を破って欧州連合(EU)との貿易協定を無期延期したヤヌコビッチ大統領に反対する平和デモが血の飛び散る惨劇に変わってしまった後もウクライナの人々は広場に集まり続ける。当時デモ隊はこのように証言する。「逃げませんでした。命をかけて祖国のためにずっと戦いました」「木の盾だけ持って戦火の中へ飛び込みながらも、自分の行動がどれほど勇敢か分かりませんでした。死ぬかも知れないからと引き止められたら、死ぬために来たと答えました。より良い祖国を作るという信念で、降り注ぐ銃弾の中に喜んで飛び込びました」。それこそ老若男女、宗教を超越した愛国心の現場だった。私たちがその時期そうだったように。