レッドラインを越える金正恩委員長、バイデン大統領の妙手は見えず(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.01.24 11:31
問題は、バイデン政権の立場で北朝鮮の核・ICBMモラトリアムを当然のものとして考えてきた状況管理「プランA」が有効性を喪失し、金委員長が「レッドライン」を越えた場合に稼働する危機管理「プランB」が効果的かどうかという点だ。実際、「平和攻勢」と「緊張激化」を周期的に繰り返す北朝鮮の「強圧外交」パターンは、過去30年間の米朝交渉で繰り返されてきたことだ。近くでは、ICBM火星15型を発射して緊張を高めた後、平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)代表団を派遣して「平和攻勢」に局面を転換した2017-18年の第3次韓半島核危機を思い出させる。遠くでは、核拡散防止条約(NPT)を脱退しながら緊張を高めた後、「金日成・カーター」会談で南北首脳会談開催に合意しながら「平和攻勢」に局面を転換した1993-94の第1次韓半島核危機がある。
米国は危機を迎えるたびに「寧辺(ヨンビョン)爆撃」「鼻血(ブラッディノーズ)作戦」など軍事的予防攻撃を考慮したが、全面戦争に拡大することを懸念しながらにこれを回避する決定をした。歴代米国政権の予防攻撃回避決定は、北朝鮮の通常戦力報復能力が相当高いという事実を傍証する。バイデン政権が「プランB」で軍事的オプションを選択する可能性が高くない理由だ。