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【時視各角】初歩的で致命的な政府の誤謬=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.12.14 10:58
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数字には魔力がある。同じ内容であっても、具体的な数字を引用しながら話す側に耳と気持ちが傾きやすい。情報と統計を独占する権力者が数字を動員した嘘で国民に糊塗するケースが少なくない理由だ。

総合不動産税の告知書を受けた納税者の各種不満があふれている。住宅2件でそれぞれ住宅年金80万ウォン、家賃90万ウォンを受けて生活する60代の女性が「私が2%に含まれるのか」と訴え、「総合不動産税による貧困」を免れる道は離婚の印鑑を押して夫婦が各自1件の住宅保有者になるしかないとして、青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)請願をした。平凡な会社員の筆者の知人は先日、父の死で3人兄弟が共同で住宅の相続を受け、1.33住宅者になったことで、3人の兄弟ともに総合不動産税爆弾を浴びたと訴えた。あれこれと課税の意図とは正反対に税金爆弾を受ける事例が多い。すると青瓦台当局者は「総合不動産税は国民2%に賦課されるものであるためノブレス・オブリージュを実践すべき」と峻厳に訓戒した。不満を表した者は突然「持つ者の責任」を忘却した不道徳な人間に転落してしまった。

 
政府の計算には極めて初歩的な、しかし致命的な誤謬がある。総合不動産税告知書の数字(分子)を総人口(分母)で割れば確かに2%だ。ところで分母は赤ちゃんを含む非経済活動人口まで網羅した数字だ。総合不動産税は不動産所有者の個人(法人含む)に発給するが、実質的な負担を負うのは家計単位であり、これを勘案していない単純な計算は初歩的な範疇の誤謬だ。分母をそのままにして国民の何%が総合不動産税負担を抱えるかを見るには、告知書を受けた人数に扶養する家族の数を合わせた数字を分子にしてこそ意味のある統計となる。この場合、その比率は6%台に上がり、大都市の地域は2けたになる。総合不動産税の爆弾を訴える人たちを周囲でもよく見る理由だ。これを知らないはずがない政治家や官僚が総合不動産税賦課比率を2%と強弁するのは、意図的に国民をだます致命的な嘘だ。さらに2%に属する家長と98%に属する他の家族構成員までも別にするものではないのか。

米国のジャーナリストI.F.ストーンは「すべての政府は嘘をつく」と言った。政府が嘘をつく最も容易な方法は数字の魔力、すなわち統計を活用することだ。韓国の歴代政権も例外でなかったが、不動産や雇用の統計に関する限り文在寅(ムン・ジェイン)政権ほどではなかったとみる。今年8月の「経済協力開発機構(OECD)平均住居価格上昇率は7.7%だが、韓国は5.4%にすぎない」という李昊昇(イ・ホスン)政策室長の発言が代表的な例だ。本人が考えてもおかしかったのか、「ただ、これを説明しても国民は容易に納得できない状況」と付け加えた。後に明らかになったが、彼が引用した韓国不動産院の調査方法からしてでたらめだった。標本数が民間・金融機関の統計よりはるかに少なく、それさえも偏りがあり、市場状況を全く反映していなかった。この発言の後、韓国不動産院は調査標本を倍に増やし、それまでの誤謬を自認した。それでも市場体感統計との差は狭まらなかった。都合のよい不動産統計だけを引用した発言は文在寅大統領から国土交通部長官、与党政治家まで1、2回ではない。現象の認識から歪曲されたため、まともな対策は考えることさえできなくなった。

大統領選挙まで3カ月も残っていない。本格的なテレビ討論が始まれば、候補間の政策論争と公約検証が続くだろう。過去にもそうだったように統計を出しながら立派な公約を出すはずだ。有権者を数字の沼に落として溺れるようにするバラ色の公約が大半になると予想される。その中で真実と嘘を見分けるのが有権者の能力であり、それが次期政権の品格と力につながるだろう。

イェ・ヨンジュン/論説委員

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