【コラム】米中技術覇権競争の核に浮上した量子科学技術(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.12.06 12:06
シカモア。グーグルが2019年に独自開発した53キュービットの量子コンピュータだ。ネイチャー論文に公開されたシカモアはスーパーコンピュータで1万年以上かかる演算をただ200秒で終えた。祖沖之2号。10月に中国が発表したグーグルを上回るという66キュービットの量子コンピュータだ。中国量子科学の父と呼ばれる潘建偉氏が率いる研究陣が開発した。
技術冷戦とまで呼ばれる米中技術覇権競争が量子情報科学に広まっている。量子情報科学が情報通信産業と経済、国家安全保障、さらには未来科学技術発展の地図を変えるゲームチェンジャーと見なされるためだ。米国の対中牽制はファーウェイの5G通信装備で見つかったデータバックドア議論に触発されたというが、実はG2に浮上する中国の挑戦に対応したものだった。米国は貿易規制を通じて中国半導体産業の成長にブレーキをかけており、人工知能分野では中国と激しいトップ争いをしている。現在の産業技術だけでなく未来の先端基礎科学でも激戦が広がっているのだ。
量子情報科学は量子科学と情報科学が合わさった分野だ。一般的に量子コンピュータ、量子暗号通信、量子センサー、量子物質、量子ソフトウエア、量子シミュレーション分野の科学技術を通称する。科学の領域なのか技術開発の領域なのか曖昧に聞こえる理由は量子情報科学の特徴のためだ。量子情報科学は量子現象に関する物理学、量子現象を情報の単位として活用するコンピュータ科学、量子を観測して量子状態を制御するための電子工学などがすべて必要な融合・複合分野だ。